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【概要】
ムクティ・カヤにおいて、「転生腐蝕」および「純魂冒涜」の罪により断罪された者は、その肉体の一部を通じて他者の輪廻を最適化するための供儀(くぎ)とされる。この処罰は単なる制裁ではなく、魂の浄化と世界の輪廻調整の一環として宗教的に制度化されている。
【儀式名称】
アートマ・ヴィマッチャヤ(Ātma Vimacchaya)
訳:「魂の切離しと再配置」
通称:「断罪供儀(だんざいくぎ)」
【儀式の段階】
- 選別(パリクシャ)
断罪された者の輪廻最適化に資する器官を選定し
その器官は、現世において特に徳を積んだ「高徳者(プニャ・ジャナ)」へと奉納(移植)される。 - 摘出(ウッダラ・チャイダ)
高僧監督のもと、無声・無燈の儀式空間にて摘出が行われる。
このとき詠唱されるのは輪廻遮断の詠(スートラ・ニヴァールタ)。摘出と同時に、魂は器官との絆を断たれる。
尚、「純魂冒涜」の者は魂へ烙印を刻み、輪廻の因果から排除する必要がある。そのため意識及び痛覚を残した状態で儀式は執り行われる。 - 奉納(ニヴァーパナ)
残された魂の器――すなわち死体は、輪廻の湖「ティルタ・ムクティ」に奉納される。
肉体は分解と再構成を経て湖底に沈み、新たな生命の「根(ムーラ)」となりジャンマ【神孵の実】となる。
【宗教的意味】
- 魂の再分配
器官はただの肉体ではなく、かつて魂が宿った場所である。これを高徳者に与えることで、その魂の「徳の再分配」が行われ、輪廻の偏りを是正する。 - 業の転写(カルマ・パーラ)
移植を受けた高徳者の魂には、一時的に断罪者の記憶や感情の残滓が現れるとされる。これは受容儀式によって浄化される。 - 輪廻の礎(サムサーラ・バース)
湖へ還された死体は、未来に生まれる魂の「魂質調整材(アートマ・ヨーシャ)」として作用し、新世代の魂に微細な徳を伝える触媒となる。
【結語】
この処罰は単なる罰ではなく、神聖なる循環への奉仕である。罪ある魂が輪廻に戻れぬとしても、その肉体はなお、「来たる者のための舟」となるのだ。
それこそが、ムクティ・カヤにおける最終の浄化であり、最高の赦しであるとされている。
